成功する要求仕様 失敗する要求仕様 を読んだ

リリースまでのプロセス、特に前半部分の企画や設計周りをあまり知識がないなーと思っていた。社内でもあまりプロセスがよろしく無いのではみたいな話が上がってたりしたので、どんな工程が良いのか知っとこと思って探してたら見つけた。どこかのブログで紹介されていてとりあえずこの3冊読んどけのうちの1冊だった記憶。要求は初手の初手なきがしたのでとりあえず手にとってみた。英語タイトルは「Requirements Management」要求のマネジメントといったところか。2006年発売なので新冊などあるわけなく中古をamazonで買った(もちろんKindleも無い)。
印象
要求が出てくることは良いことで歓迎すべき、だけど全てを納期の中で答えられるわけ無いのでトリアージしろとの主張だった気がする。 章末に付録として具体的にこんな感じで進めろってHowToをまとめたクイックレシピが付いてるのがわりかし斬新だった。もちろんHowをまとめたものなのでちゃんと本章で目的を理解してから読めよとは書いてあった 笑。
はじめに
要求って言ってもいろんな立場があるでしょみたいな話から始まり、ざっと要求とリリースの関係(リリースまでの期間と市場インパクトの天秤をかけて要求をトリアージしろって主張なので)とどんな組織間で要求って出るだっけみたいな説明。「要求にどれだけの時間を割くべきか」とかはなかなか自分の中でインパクトあって、リスクと掛けた時間(コスト)を軸にした図が出てきて衝撃だった。PM研修みたいなやつでどんくらい時間割くとうまく行ったとか経験値あります?みたな質問をしたことあったけど、そんな不正確なものとは異なり全てはグラデーションのなかでお前の立ち位置はどこでつまりこんぐらいのリスクを取ってるってのが回答(図)として置かれてた。そもそもこういう程度の話は感覚値で話されることが多いイメージだがなんとグラフになってる!って思った。
要求の導き出し
前半は誰が要求を出すのか要求者はどんな関係なのかみたいな解説、後半は彼らに対して要求をどうやって聞き出すのか具体的な手法をまとめられていた。インタビュー方法とか超具体的に載っている章だったため流し読みしていた記憶。ただストーリーって大事だよねってのは超同意。
要求のトリアージ
本題。トリアージ、基本的に関係者での多数決で決める。なので関係者って?て話と超具体的な多数決方法の紹介、あと要求にも依存関係があるよねってのと(たしかに!)トリアージ結果のまとめ方法が載ってる。後半はコスト、リリースまでの期間、機能(提供によるインパクト)をどうやっていい感じの着地にさせるのか過去プロジェクトの実績を元に確率的に表現、やはり選択した立ち位置はどんなリスクを取っているのかを示す方法の解説が載ってた。要求の変化量や、見積もりに対する力関係はその組織特有であるため、組織ごとに過去プロジェクトの実績を根拠に選択したリスクの立ち位置を確認するのはすげー説得力があった。
要求の仕様化
要求を出してトリアージして何を対応するか決めたけど、それを仕様として残しておかないといけない。仕様化の方法としてとりあえず箇条書きにしてみる?から始まって具体的な仕様化の方法が載ってる。この本は通してだけど超具体的で、筆者オススメの1パターンの紹介ではなく箇条書きみたいな最初に思いつくレベルのものから段階を踏んで色々な手法が提示される。また、仕様化の際どのような情報を残しておくのか(トレーサビリティとか)とかの解説が書かれてた
要求は変化する / まとめ
要求の肥大化への対処が書いてあった。まーでもそんなに対処の選択肢は無くて、結論人月の神話みたいな感じかと